授業紹介:コミュニケーション能力基礎演習 その2

歴史を学ぶための基本的な技術を習得するコミュニケーション能力基礎演習について以前「ビブリオバトル」の様子を紹介しましたが、その後の授業では書籍の紹介文の執筆にチャレンジしました。

 

歴史学や地理学の専門雑誌の多くには書籍紹介の欄があり、新書から専門書までその分野に関係する書籍の内容を要約して評価した短い文章が掲載されています。書店に並ぶPOPとは違い、本全体の内容を過不足なくまとめ、その長所・短所を指摘します。

 

これを真似て自分の選んだ本を紹介しました。まず史学科の教員がこれまで書いたものをモデルとして紹介文とはなにかを理解します。そして毎週下書きを書き進め、お互いの文章を赤ペンでチェックし、教員のアドバイスを受けながら完成させました。

 

限られた字数制限の中で情報をうまく盛り込み、読みやすい日本語で書くのは思った以上に大変な作業だったのではないでしょうか。

 

ちなみに学生の選んだ本は、

 

日本史では、

黒田基樹『百姓から見た戦国大名』ちくま新書、2006年

手嶋泰伸『海軍将校たちの太平洋戦争』吉川弘文館、2014年

謝花直美『証言 沖縄「集団自決」』岩波新書、2008年

 

世界史では、

ジャレド・ダイアモンド『鉄・病原菌・銃』草思社、2000年

江村洋『ハプスブルク家の女たち』講談社現代新書、1993年

君塚直隆『肖像画で読み解くイギリス王家の物語』光文社新書、2010年

などでした。

 

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ちなみに学期も終わりが近づいてきた今は3つのクラスで次の本を読んでいます。

 

清水克行『日本神判史』中公新書、2010年

佐藤卓己『増補 八月十五日の神話:終戦記念日のメディア学』ちくま学芸文庫、2014年

高田博行『ヒトラー演説:熱狂の真実』中公新書、2014年

 

 

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活発に議論が交わされるクラスもあれば、内容を把握するのに悪戦苦闘するクラスもあります。

 

これから月末まではレポートや試験に追われる日々が続きますが、夏休みには勉強以外の楽しい経験をしつつ、本を沢山手に取って欲しいと思います。