大学院(我孫子キャンパス)

人文科学研究科 男女共学 心理学専攻、教育学専攻、比較文化専攻

現代社会が抱える諸問題に対して、その本質を見据えて真摯に深く考え究め、問題解決能力を備えた指導的役割を果たすための人材育成が重要です。そこで本学大学院は、高度な専門性を持つ職業人や研究者の養成、さらに、意欲ある社会人の再教育を実施し、未来を担う人材の育成をめざしています。
  男女共学の本学大学院は、「心理学専攻」「教育学専攻」(修士課程)、「比較文化専攻」(博士前期・博士後期)の3専攻で編成されています。最新の設備と教育機器、23万冊の豊富な蔵書がある教育環境の中で、学界の第一線で活躍する教授たちが、院生一人ひとりの個性・特性を尊重した丁寧な指導を行っています。

心理学専攻 修士課程

  • 臨床心理学領域
  • 心理行動科学領域

心理学専攻修士課程は、「臨床心理学領域」と「心理行動科学領域」の2領域にわかれます。

現代社会は大きな変動期を迎え、ますます複雑・多様化してきています。その現代社会との関わりの中で、人間の心やその本質について、さまざまな科学的見地から正確にしてトータルな知識を持つとともに、具体的な現実認識のもとで人間性の深淵をあきらかにすることが重要であり、人間社会の将来をいかに設定すべきかの切実な課題にとりくむことが求められています。
 本専攻は、文学部心理学科を基として、その教育・研究の特色から、「臨床心理学領域」「心理行動科学領域」の2領域で構成されています。より高度な知識を修得し、独創性豊かな研究を行うことにより、広く社会における心理学関連の指導的役割や臨床現場でも活躍できる人材を育成します。

<臨床心理学領域>

 本領域は、2018年度からスタートした国家資格「公認心理師」や従前からの専門資格「臨床心理士」(本大学院は(財)日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定校です)をめざす領域です。心の健康の問題の探究やそのために必要な測定・診断・治療・予後などの理論と技術を修得します。公認心理師および臨床心理士両資格取得をめざし、臨床スペシャリストへの道を志します。

<心理行動科学領域>

本領域は、心理学をより専門的に学び、将来、心理学の専門的職業や博士課程(他大学院)に進学することをめざす領域です。知覚、記憶などの認知心理学分野、対人関係、文化などの社会心理学分野を中心に各分野を専門とする教員から研究指導を受けながら、人間の知的機能や対人機能のメカニズムを科学的に探求します。

本専攻の修了後は、臨床心理士やカウンセラーとして児童相談所、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、病院、クリニック、精神保健センターなどでの活躍が期待されます。

―公認心理師・臨床心理士をめざす方へ―

本学大学院の臨床心理学領域は、充実したカリキュラムおよび実習体制によりこれまで150人以上の臨床心理士を養成してきました。さらに、現任者や修了生合わせて100人以上の公認心理師を輩出しています。今後も受験対策、面接指導、個人指導等を通じて臨床心理士合格へのバックアップを丁寧に行っていきます。また、2018年度からスタートした国家資格「公認心理師」についてもカリキュラムを整え、臨床心理士養成を継続しながら、国家資格である公認心理師ともども、両資格取得に向け育成対応しております。

取得可能な専修免許状と受験資格など
  • 高等学校教諭専修免許状(公民)
  • 公認心理師(臨床心理学領域のみ)
  • 臨床心理士(臨床心理学領域のみ)

教育学専攻 修士課程

現代を生き抜く力を育てる高度な教職専門性と教育実践力を備えた小学校教員の養成

グローバル化、少子高齢化、情報通信技術の高度化など、社会の急激な変化にともない、今日の小学校教員には理論の知識に加え、それを実践に生かすことのできる「教育実践力」が求められています。また、教育改革が世界的に進行するなかで、日本の学校教育現場では、特別の支援を必要とする児童を含む「通常学級」での教育実践が課題となっています。
 本専攻では、今日の教育の動向に対応して、「生涯を通じて高度な教職専門性と教育実践力を刷新していく人材の育成(学び続ける教員)」と「インクルーシブ教育の実践ができる人材の育成」といった2つの目標で教員養成を行います。学び続ける教員を養成するため、教育理論と実践を結び付ける豊富な授業科目、授業研究のための「教職実践交流」によって、「理論と実践の往還カリキュラム」を編成しています。
 また、インクルーシブ教育を推進できる実践力を育成するために、特別の支援を必要とする児童を含む通常学級の学習指導法、学級経営などを、教育思想、教育史、教科教育、道徳教育等から横断的・実証的に追究します。
 本専攻では、より高度な教職専門性を身に付けたい現職教員が学びやすいように、授業は平日開講のほか、土曜日や長期休業中に集中授業を行います。また1年次に修士論文を除く規定の修了要件単位を取得し、成績優秀な人材であると判定された院生に対し、2年次に大学院に在籍しながらの現職への復帰や、現職を継続しながら修士論文の作成を認めています。

地域小・中学校および特別支援学校における教職実践交流の実施

本専攻と我孫子市教育委員会との連携により、院生は、市内小学校・中学校の通常学級での「教職実践交流」を実践できるだけでなく、特別支援学級および特別支援学校においても同様に実践できます。このような実践によって、インクルーシブ教育の実践力を高めることができます。

我孫子市特別支援教育ネットワークの利用による連携的・包括的職務能力の習得

我孫子市では、我孫子市教育委員会(教育研究所)を中心として特別支援教育ネットワークが構築されています。そのため、院生は多様な施設や機関で子どもの個別教育支援について体験的に学べます。教育研究環境の利用によって、直接的にインクルーシブ教育で要求される連携的・包括的職務能力を身に付けることができます。

本専攻の修了者は、小学校教諭専修免許状を取得するとともに、高度な教職専門性と教育実践力を備え、小学校、教育委員会、教育系施設などでの活躍が期待されます。

取得可能な専修免許状
  • 小学校教諭専修免許状

比較文化専攻 博士前期課程・博士後期課程

  • 地域文化研究分野
  • 社会・文化コミュニケーション分野
  • 女性学分野

人文学諸分野に関する高度な知識を身に付け、現代社会の諸問題を解決する人材を育成

現代は、国家・民族・宗教間の対立が激化している一方、国際化・グローバリゼーションによって異文化交流が身近なものになっており、これまでのような分断された専門分野での研究を超えた枠組みが必要になっています。そのため本専攻は、2学部5学科を基礎とした人文学系の大学院として、「地域文化研究」「社会・文化コミュニケーション」「女性学」の3分野で構成され、博士前期課程(修士)と博士後期課程(博士)が設置されています。 博士前期課程では、文化、社会、宗教、教育、言語、ジェンダーに関する高度な知識を横断的に身に付け、現代社会の諸問題を解決できる人材を育成します。 博士後期課程では、人文学諸分野の研究者・教育者として、各組織の中核的存在として活躍できる人材を育成します。

<地域文化研究分野>

日本文化、アジア・オセアニアの文化、ヨーロッパ・アメリカの文化を学際的な視野から研究します。文学・歴史・地理・芸術・芸能・民俗などの領域を基軸に、新しい視点を開拓し、発展させます。

<社会・文化コミュニケーション分野>

世界の各地域をグローバルな視点から横断的・学際的にとらえ、宗教・言語・教育・情報・表象文化・地域活動など、現代社会の課題にせまるグローバル・スタディーズをめざします。

<女性学分野>

21世紀の大きな学問領域であり、男女共同参画社会の実現という社会的責務を負っています。ジェンダーの視点から人文社会諸科学を統合する新しい超領域的な研究を行います。

本専攻修了後は、高度な知識と教養を生かして、地方自治体や企業への就職、あるいはNPO/NGOでの活動、学芸員の資格を生かし美術館・博物館への就職、また、専修免許(中学英語、高校英語、中学社会、高校地歴)を取得し教育機関で次世代育成への貢献、さらには研究機関での活躍が期待できます。

取得可能な専修免許状
  • 中学校・高等学校教諭専修免許状(英語)
  • 中学校教諭専修免許状(社会)
  • 高等学校教諭専修免許状(地理歴史)