(受験生のみなさんへ)教員・授業紹介(西川誠教授)

史学科の新入生に関心を尋ねると多くの学生が幕末を挙げます(ついで戦国時代でしょうか)。そんな彼女たちも入学後の勉強を通じて他の時代・地域に関心を広げていきますが、初心を貫徹し幕末の志士たちを卒業論文のテーマに選ぶ学生も毎年います。そんな学生を優しく(時には厳しく)、指導してくださっているのが、今回紹介する西川誠先生(日本史)です。

 

Q.ご専門は何でしょうか?

日本近代史です。特に明治前期の政治史です。最近は、明治天皇や木戸孝允について考えています。『木戸孝允関係文書』と言う本を作っているのですが、今年こそ完結を目指しています。・・・したがって長州びいきです。

 

Q.どのような講義をされているのでしょうか?

入門は日本史の大きな流れについて話をしています。武士と土地、イエの形成、村と町の成立などです。概説は、日本近代史を政治史中心に説明しています。他に日本近現代史という講義を持っていたのですが、今は非常勤の方にお願いしています。平成25年度は、若月剛史先生の政党内閣期の講義でした。

 

Q.演習(ゼミナール)ではどのようなことをやっていますか?

3年ゼミは、幕末から明治初期に書かれた史料を読むことと、日本の近代を扱った研究論文の輪読をしています。4年ゼミは学生のそれぞれの関心にしたがった論文をみんなで読んで、卒論につなげています。平成24年度は、江戸時代の大名の食事や、妖怪を扱った学生もいました。

 

Q.受験生へのメッセージをお願いします。

日本の近代はペリー来航から始まりました。江戸時代から大きな変革が起こります。この変革を考えてみましょう。

 そしてペリー来航に見るように、日本の近代は世界との関係が深まった時代です。

変容していく国際関係の中での日本の歩みを考えてみましょう。

 

私事ですが、趣味は新本格と呼ばれる推理小説を読むことと、能・歌舞伎鑑賞です。推理小説は、史学と関係ないですねえ。新本格ではないですが、講談社ノベルスの『書物狩人』(ル・シャスール)シリーズは、近代史と関係がありますね。作者の赤城毅さんとは、何度かお会いしたことがあります。能と歌舞伎は時間を見つけられず行かなくなりました。歌舞伎は雀右衛門も亡くなりましたし。

 あとツヴァイという学内のマンガサークルの顧問をやっています。私の黒歴史がばれてしまったようです。

 能や歌舞伎を知るためには、『花よりも花の如く』が参考になります。『ぴんとこな』も歌舞伎の世界が垣間見られますね。史学科の日本史の教員は、歌舞伎や能が好きな教員ばかりです。今度いらっしゃる中世史の先生も、よくご覧になっています。

 

 

以上、史学科の先生にインタビューをしてきました。西川先生もおっしゃっているように、4月からは新たに日本中世史(平安後期—戦国時代)を専門とする先生が史学科に加わります。また大学外からも多くの先生をお招きし、日本、アジア、ヨーロッパ、アフリカの様々な時代の歴史を扱う授業を用意しています。さらに「都市の歴史」、「犯罪史」、「医療史」といった特定のテーマから歴史に切り込む授業もあります。

 歴史に関心をもつきっかけが、漫画や小説、ゲームであったというのは学生のみならず、歴史好きが高じて仕事にしてしまった教員にもよくあることです。様々な道をたどって歴史を学ぼうと決意されたみなさんと4月にお会いするのを楽しみにしています。