教員の研究紹介:高橋先生執筆の書籍が出版されました

高橋亮介先生が執筆したキーナンほか編『アレクサンドロスからアラブ征服までのエジプトにおける法と法実践(Law and Legal Practice in Egypt from Alexander to the Arab Conquest)』(ケンブリッジ大学出版局、2014年;英文)が出版されました。高橋先生は、ご自身の留学時代の先生と共著で「プトレマイオス・ローマ時代におけるギリシア語貸借契約」という節を書いています。

 

古代エジプトの人々は契約書や嘆願書、裁判記録などをパピルス紙(パピルスという水草から作られた紙)に書き記していました。これらの文書のなかには、エジプトの乾燥した気候のおかげで2千年以上のあいだ残ったものがあり、古代人の日常生活を知る貴重な史料となっています。本書はギリシア語や古代エジプト語で書かれたパピルス文書を英語に翻訳し解説を加えた史料集で、当時の法律とそれがどのように用いられていたかを概観できるようになっています。

 

人間の営みは古今東西、様々な言語で記録されてきましたし、それについての研究も世界中でなされてきました。したがって歴史を勉強するためには語学力を鍛えることが重要になります。特に西洋史や西アジア史を勉強する場合には、英語が読めるようになると一気に視野が広がります。

 

史学科の開講科目である「文献講読」では古文・漢文・英語を、「文献講読演習」では英語・フランス語・ドイツ語・中国語を使って歴史を学ぶ訓練を行います。史料や歴史の研究文献を少人数で丁寧に読んでいきますので「古文や外国語はちょっと苦手…」という学生にとっても、むしろ苦手意識を克服する機会となっているのではないでしょうか。これらの科目に加えて史学科ではどのような授業を受けられるか気になった方は、講義要項でチェックしてみてください。