<授業紹介>史学科専門教育科目(選択)日本女性史(2)

 川村学園女子大学の史学科では、日本史、アジア史、西洋史を柱として、世界の歴史を広く、深く知るためのカ
リキュラムを組んでいます。
そして教科書には載っていない多様な歴史を学ぶことができます。
今回はその中でも女子大ならではの女性史の授業を紹介しましょう。

 史学科の専門教育科目の選択科目として学べる女性史には日本女性史(1)(2)と外国女性史があります。
日本女性(2)の担当は辻浩和先生です。辻先生の専門は中世の芸能史・女性史です。

 この授業では、中世から現代までの出産と育児を、3つのパートに分けて論じます。

 ①出産と社会 ②育児と社会 ③堕胎・間引き・捨て子と社会

中世の出産風景①(「飢餓草紙」より。図像出典:国立国会図書館デジタルコレクション)

 

中世の出産風景②(「融通念仏縁起絵」より。図像出典:国立国会図書館デジタルコレクション)

 

 今学期の授業内容を紹介しましょう!

<①出産と社会>

(1)中世の出産と社会 申し子説話と産の穢

(2)近世の出産と社会 「家」と地域社会にとっての「子宝」

(3)近代の出産と社会 出産と富国強兵

(4)「産む性」と「産まない性」 性の売買と出産・育児

<②育児と社会>

(1)中世の育児と社会 子供を育てるのはだれか

(2)近世の育児と社会 育児の主体としての父親、貰い乳

(3)近代ヨーロッパの育児と社会 〈子ども〉の誕生、〈母性〉という神話

(4)近代の育児と社会 主婦の誕生、女性労働者と産休制度

(5)生育儀礼 子供をめぐるネットワークの形成、ディスカッション

< ③堕胎・間引き・捨て子と社会>

(1)中近世の堕胎と間引き

(2)中近世の捨て子・孤児

(3)近代国家とバースコントロール、優生政策

(4)現代の出産・育児をめぐる困難 赤ちゃんポスト

★出産や子育て、あるいは子どもをめぐる考え方はいつの時代も同じだと思いがちですが、実は時代によってまったく異なっています。

そして、その背景には社会や国家のあり方が大きくかかわっています。

この授業ではそうした変遷と社会背景を紹介しながら、現代の出産・育児をめぐる諸問題についても、歴史的な視点から考える材料を提供しています。

<面白そうですね!>