博物館見学(伊藤ゼミ)

7月4日に「日本文化専門演習Ⅵ(1)(伝統芸能・民俗学)」(担当:伊藤純)で博物館見学を行いました。

新宿歴史博物館

新宿歴史博物館では常設展示と企画展「憧れのかたち—家電に見る昭和の暮らし」を観覧しました。遺跡から出土した考古資料だけでなく、人びとの暮らしの移り変わりを示す生活品の展示を観ることができました。映画館やダンスホールなどの繫華街ならではの展示品は昭和のイメージを彷彿させ、学生たちも見入っていました。

***学生の感想***

・通史的に展示されていて、新宿エリアの地域的展開がよくわかった。

・内藤新宿の模型展示が印象的だった。都市から外れていた内藤新宿がどのように発展しいったかを知ることができた。

・昭和7年の東京三大盛り場通行人比較(銀座・新宿・浅草)が大変面白く、モダニズムの浸透が路上観察のデータから示されていて興味深かった。

・家電の発展がめざましいものだったことがよくわかった。一部の人びとしか所有することができなかった家電が、高度経済成長期に入ってから経済状況が良くなり一般家庭に普及し、家電が一般家庭の生活に合うものへと変化していったことが良くわかった。

・家電の進化により、女性の社会進出が進むのだと思った。


平和記念展示資料館

新宿歴史博物館から平和記念展示資料館に移動し、常設展、企画展「戦争と疫病」を観覧しました。民俗学では合力祈願とされる千人針(複数の女性が1枚の布を縫い合わせる武運長久祈願ないし弾除け祈願)や千人力の寄せ書き(「力」の文字を日の丸の旗に寄せ書きしたもの)といった戦時下の生活を示す展示がありました。特に、終戦後のシベリア抑留者、引揚者の過酷な生活を示す戦時資料が豊富で戦争の無惨さを改めて感じるものでした。企画展では、軍隊生活、抑留生活の悪環境のなかで蔓延したマラリアやチフス、コレラなど様々な伝染病が紹介されていました。