【心理学への招待】「同調」について

こんにちは。【心理学への招待】へようこそ。

今回は「同調」です。

みなさんは、つい周りの人の言動につられてしまった経験はありませんか?

例えば、授業中に先生が挙手を求めたとき、周りの人が手を挙げたので自分もつられて手を挙げたとか、友だちとお喋りしていて、自分はそう思っていなくても「うんうん」と同意したなど、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。これは、心理学でも古くから研究されている問題で、「同調」といいます。

同調の研究をしたアッシュは、次のような実験を行いました。まず、実験参加者を実験室に呼び、問題を出題します。

問題は、見本に示した線と同じ長さの線を1~3の中から選ばせるといった、とても簡単な問題で、全ての実験参加者が、正解は「1」だと答えられました。ところが、数人のサクラ(実験協力者)が「2」と、わざと間違った答えを言った後に、実験参加者に答えを尋ねたところ、間違っているのでは?と思いつつも、「2」と答える参加者が増加したのです。この理由として、周りの人に嫌われたくないという気持ちから、多数派の意見に合わせようとする心理や、自分よりも周りの人のほうが正しいのではないかと不安になり、同調してしまうことなどが考えられます。

このように、自分でも気づかないうちに、周りや他の人に影響されていることはよくあるのです。