教員新刊紹介・授業案内「日本女性史(1)」

川村学園女子大学の史学科では、女性史に力を入れています。
「日本女性史(1)」「日本女性史(2)」「外国女性史」の3科目が開講されている点は、
ちょっと他にはない特徴だと思います。

さて、今日はその中から、「日本女性史(1)」を紹介します。
この授業では、古代から近世までの「働く女性」がテーマです。
紫式部・清少納言や大奥などを通して、女性と政治との関係が論じられます。

 

講師の伊集院葉子先生は、
最近『日本古代女官の研究』という本を出版されました。

この本では、
(1)日本ではもともと男女わけ隔てなく大王(天皇)に仕え、働いていたこと、
(2)奈良時代の日本は、女性を政治から排除する中国の制度を取り入れたこと、
(3)しかし実際には、天皇の政治と生活を支える存在として女性が必要とされ続けたこと、
などが論じられています。

学生の皆さんは、「日本史研究入門(2)」の授業で、
古代の日本が中国の制度を取り入れるために試行錯誤したことを学んだと思います。
伊集院先生は女性に注目することで、
こうした試行錯誤のありかたを具体的に明らかにしていると言えるでしょう。

「あとがき」によれば、
伊集院先生はご家族との関係や、お仕事での経験から、こうした研究を始められたということです。
身近な疑問から出発する点は、女性史研究の特徴です。
皆さんも、普段の生活で感じている疑問を研究に活かせたら面白いと思いませんか。

最新の研究に基づいた「日本女性史(1)」の授業を、ぜひ受講してみてください。