能楽鑑賞会 事前学習

3年生が履修する日本史演習(1)—(3)では、6月22日に能楽鑑賞会を行いました。

 

これに先立って事前学習として、西川誠先生が学生向けに、お能の解説と実演を行いました。教室は畳敷きの和室、先生は見慣れない袴姿とあって、いつもとは少し違う雰囲気の中、先生お手製のプリントに従って解説が行われました。

 

 

shigaku_news_20150624-01.jpg

皆さん正座は苦手のようです・・・

 

shigaku_news_20150624-02.jpg

西川先生お手製のプリント

 

まずは今度鑑賞する「船弁慶」のあらすじ解説。能は「複式夢幻能」という前後2段構成になっており、幽霊が過去の様子を再現してみせるという説明がありました。この演目の場合、前半は義経と静御前の別れの場面、後半は平知盛の幽霊がなぎなたで義経に襲い掛かる場面です。

 

続いて謡本(うたいぼん)や楽譜のコピーを見ながら、能の音楽や謡い方について説明があります。能は8拍子で謡われること、感情が高まってくると謡になること、意図的に謡と伴奏をずらす「拍子不合(ひょうしあわず)」で雰囲気を盛り上げ、山場になると急に謡と伴奏がぴたりと合い、リズムにのってくることなどを学びました。お能を習っていないと、なかなか知ることのない知識ですが、先生が実際に謡ってくれるので、学生たちもよく理解できたようでした。

 

音程ではなく、指の形を唱歌という歌にしてメロディを覚えるなど、西洋音楽との違いにも言及がありました、唱歌は「オヒャラーイホーウホウヒ♪」といった感じですが、学生には新鮮だったようで、笑い声が起きていました。

 

最後に舞や動き方の解説がありました。能の動き方には男、女、神・妖怪で違いがあります。袴をたくし上げて見せてもらうと、違いがよくわかります。身体を回転させながら飛び上がり、片膝をついて着地する「飛び返り」という動きはダイナミックで、学生からはアンコールが起きていました。

 

「練習不足だから」といいながらも、サービス精神旺盛な西川先生は、「葵上」や「高砂」、「班女」まで、時間いっぱい演じてくださいました。

 

shigaku_news_20150624-03.jpg

プリント片手に型を見せる西川先生

 

 

shigaku_news_20150624-04.jpg

終了後に記念写真

 

西川先生、お疲れ様でした。

能楽鑑賞会当日の様子や学生の感想は次回の学科ニュースでお伝えします。