授業紹介:歴史地理学 城下町を読む

川村の史学科では学生の様々な関心に応え、また学生に広い視野を持ってもらうために、多彩な授業な開講しています。今年度の授業の内容は講義要綱ですべて見ることができますが、学科ニュースでも講義をいくつかピックアップして紹介します。

 

大学での講義は、担当する教員が最新の研究の成果を取り込んだり、新しい事例を盛り込んだりするため、同じ講義名であっても毎年同じとは限りませんが、在学生・受験生のみなさんは参考にしてください。

 

 

今回紹介するのは生井澤幸子先生の「歴史地理学」です。「歴史地理学、何それ?」と思った人もいるのではないでしょうか。

 

歴史地理学とは、一言でいえば、地域を歴史的に論ずる学問です。時間的推移に注目するのが歴史学、空間的展開を扱うのが地理学と定義されるなかで、歴史地理学は時間と空間を同時に視野に入れた研究分野といえます。

 

日本の都市は、もともとは城下町であったものが多く、特に県庁所在地にはその傾向がみられます。そういった町には城趾が残されていたり、城が復元され博物館になったりしています。私たちもつい城そのものに気持ちが向いてしまいますが、この授業の主役は町そのものです。

 

そもそもなぜその町に城が置かれるようになったのでしょうか。町のどのような場所に城が立てられたのでしょうか。また城の周囲には何があり、町並みはどのように発展していったのでしょうか。

 

この授業ではそういった謎に地図を読み解きながら迫ります。舞台となるのは広島、金沢、萩、江戸など全国各地の城下町です。地図と聞いて、身構えてしまう必要はありません。授業で示される豊富な史資料を見つつ、地図の読み方を身につければ、3次元の情景をイメージできるようになるはずです。歴史地理学を学んだ後には、身近な町も初めて訪れる町も、他の人とは違った視点から見えてくるかもしれません。

 

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学生研究室で読図の課題を指導しています