中世フランス歴史紀行(5):ブランシオン教会

ブランシオンBrancion教会

 

ブルゴーニュ地方は古くから開けた肥沃な地で、10世紀には小規模な土地領主が互いに競合するようになりました。そうした小領主は次々に城塞を建設して、自立を誇り、周辺農民を支配したのです。バン領主と言って、「バン、バン」と太鼓を打ち鳴らして農民を招集し、慣習で定められた地代の外にも様々な徴発をした、時には裁きも行い、極刑を執行することさえあった、と伝えられます。封建社会の典型的な光景です。

 

ブランシオンはそうしたバン領主が建設した城塞のひとつで、起源は10世紀初めに遡るとされます。当主は代々ジョスランを名乗ることが多く、しばしば近隣のクリュニー修道院と対立し争いました。この城塞に付属する小教会堂を撮影しました。外は真夏の午後の強烈な日差しが降り注いでいました(写真1)が、内部は暗く、ひんやりとしていました。祭壇は装飾もない簡素な石台で、ただ花が活けられていました。祭壇周囲の壁画は聖人の群像です(写真2)。

 

 

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写真1

 

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写真2