学びのポイント
1年次
1年次では、日本文化に関わる内容を、日本語、日本文学、日本美術、日本の伝統芸能等の様々な角度から学び、日本文化の基礎的知識とその学び方を身につけます。それに加え、基礎ゼミ等の授業を通して、資料の探し方、レジュメの作り方、発表の仕方、レポートの書き方も学びます。さらに、実技科目や学外授業を通して日本文化を体感します。
2年次
2年次では、各分野における日本文化の学びを深めます。自らが各分野の中から興味ある日本文化の学問を絞っていく時期にあたります。授業内容はより専門性が高められ、プレゼミナール等で、専門的な内容を発表する機会も設けられています。また、国語科教員、日本語教員、図書館司書、学芸員等の資格科目も増えていきます。
3年次
3年次では、日本文化の専門分野をきわめていきます。日本文化専門演習の授業を中心に、各自が選んだ分野の研究を深めていく時期です。卒業論文を見据え、研究テーマを決定し、そのための資料収集、先行研究の読み解き、調査・分析を通し、オリジナルな考察を行う力を身につけていきます。
4年次
4年次は、これまでの学びの集大成の時期にあたります。3年次に決めた研究テーマを深めるため、資料や先行研究の補足を行いながら卒業論文を形作っていきます。夏休み明けには中間発表会があり、先生のアドバイスや学生同士の意見交換を通して、さらに研究を掘り下げ、卒論の完成を目指します。
カリキュラム
人材育成目標
「和」の心を基盤に、理論と実践の両面から日本文化を理解し、世界に向けて日本文化を発信できる人材を育成する。
カリキュラムの特色
日本文学・日本語学・日本美術・民俗学・伝統芸能という様々な角度から、総合的に日本の文化を学びます。また理論を学ぶ科目だけでなく、実際に日本文化を体得するために、6 種の実技科目が設けられ、実践的に日本文化に触れることができることも魅力的な特色です。
カリキュラムは2024年度のものです。
掲載内容については変更する場合があります。 *必修科目
カリキュラムの3本柱
- 2つの分野
- 専門教育科目は、【日本文学・日本語学系】と【日本美術・民俗学・伝統芸能系】に分けられます。【日本文学・日本語学系】の科目では、古典から現代までの文学作品に触れ、また日本語に関するさまざまな知識を学んで、日本の言語文化への理解を深めます。【日本美術・民俗学・伝統芸能系】の科目では、美術や伝統芸能、さらには日本の風俗や生活文化を学び、芸術や宗教などを含めてさまざまな角度から日本文化について探究します。
- 実技科目と演習科目
- 【実技科目】カリキュラムの大きな特色の一つは、書道、日舞、茶道、華道、日本画、能の仕舞・謡いなどの実技科目が充実していることです。実技科目では、自分の体を使ってそれらの実技を学ぶことで日本文化を身をもって体感できます。【演習科目】もう一つの特色は、1年次の基礎ゼミナールから始まって4年次の文献演習まで、切れ目なく演習科目を履修する仕組みになっていることです。演習科目では教員のアドバイスのもと少人数で研究の仕方を丁寧に学び、仲間との討論を通じて自分が関心を持つテーマに関する研究を深めていくことができます。
主な開講科目
1年次 【日本文化入門】
これから日本文化を学ぶために必要な基礎知識や考え方を身につける日本文化学科必修科目です。前期では日本文化という主題に対してこれまでどのようなアプローチがなされてきたか、生活者の視点を大切にしてきた民俗学の立場から講義します。
1年次 【日本語教育入門】
将来日本語教員を目指すための入口となる科目です。日本語教育とは何か、また日本語教育を必要とする学習者の現状や日本語教員の役割を理解し、そのうえで、コースデザイン、シラバスの種類、日本語の教材等、外国語として日本語を教える場合に必要な知識を学びます。
1年次 【日本文学史(古典)】
奈良時代から江戸時代までの日本文学の歴史的な流れを学びます。それぞれの作品がどのような背景で生まれ、後世にどのような影響を与えたのか考えていきます。なお、日本文学史(近現代)という科目もあり、そちらでは明治時代以降を扱います。
2年次 【プレゼミナール】
専門分野に関する研究の基礎を学びます。図書館やインターネットを使った資料の集め方や口頭発表の準備の方法を身につけ、ディスカッションを通して考えを深めます。レポートの書き方についても詳しく学び、学術的な文章が書けるようにしていきます。
2年次 【日本文学と女性(近代)】
近現代の文学作品のなかに現れる女性の表象について学びます。作品を読みながら、当時の社会、流行、思想、法律、歴史など幅広い文化的背景をもとに作品における「当時の女性のありかた」を検証しながら、文学の中にひそむ歴史や文化を読み取る楽しみを体得します。
2年次 【文化財の保護と修復】
現存する日本の美術工芸品、建築物、歴史資料などの文化財がどのように保護され活用されているかを実践的に学びます。実物を直接手で触れて取り扱い方法を学んだり、大学の近隣にある文化財や関連施設等を見学します。
2年次 【日本の祭りと儀礼】
民俗学や文化人類学の儀礼・祭礼研究における基礎知識や分析概念を学んでいきます。具体的には日本で行われている儀礼や祭りを取り上げながら解説します。儀礼や祭りの構造や機能、その変化についてどのように考えるかを学生が説明できるようにしていきます。
3年次 【日本語教育演習(日本語教育実習を含む)】
本授業には、提携する日本語学校で行う実習授業が含まれています。実習に備え、指導案やオリジナルな教材を作り、模擬授業とその授業に対するフィードバックを繰り返すことで授業のブラッシュアップをしたのち、留学生に対する実習授業に臨みます。
3年次 【日本文化専門演習】
日本文化学科の専門演習では、各分野の調査・研究の方法を詳しく学びます。学生は先行研究の収集・調査や分析・整理の方法を身につけたり、自分の関心のある課題について研究発表を行ったりしながら、次年度の卒業論文執筆の準備を行います。
4年次 【文献演習】
文献演習では、学生それぞれが興味に応じてテーマを定め、文献・資料の調査や口頭発表を含めた総合的な研究作業を行います。各自の研究課題にまつわる文献や実地調査から得た豊かな情報を丁寧に整理・分析して、相互批評を行いながら、より良い卒業論文の完成を目指します。
卒業論文について
卒業研究テーマの一例
- ●『夜の寝覚』における明かり表現の研究
- ●『恋路ゆかしき大将』における恋路の人物造型について
- ●『屋根裏の散歩者』に関する一考察 -江戸川乱歩と有栖川有栖作品の比較を通じて-
- ●夢野久作『少女地獄』 -少女たちの価値-
- ●オノマトペ「しくしく」の通時変遷
- ●芥川龍之介の動物比喩表現に関する研究
- ●上町祭屋台天井絵 葛飾北斎作『怒涛図』について
- ●川瀬巴水の画風 -《芝増上寺》を中心に画風の変遷を追う-
- ●現代におけるタトゥーアーティストによる針突施術の特徴と問題点
- ●茂原市の近代化遺産とその保護について -掩体壕と三井東圧化学専用線を事例にして-