生活創造学部のSDGsの取り組み:観光文化学科「としまコミュニティ大学」

 生活創造学部ではSDGsの精神を柱とした、生活や文化に関するさまざまな授業を行っています。今回は生活創造学部観光文化学科の山田祐子先生の活動を紹介いたします。

 目白キャンパスのある豊島区では定期的に「としまコミュニティ大学」を開催し、区民の学びを深めています。山田先生はSDGsをキーワードとし「ホテル旅館どう選ぶ?いまどき宿探しの極意」と題し、サステナブルな(持続可能な)旅について講演しました。
※としまコミュニティ大学・・・豊島区と区内7大学との包括協定により、協働して事業展開している人つくり・活動づくり・地域づくりのための総合的な学びの場。

 講演のキーワードは、SDGsの17の目標のうち8番「働きがいも経済成長も」と21番「つくる責任つかう責任」の二つです。
 

みんなの生活を良くする安定した経済成長を進め、
だれもが人間らしく生産的な仕事ができる社会を作ろう

生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、
責任ある行動をとろう

 観光を目的とした訪日外国人客が再び増加するなか、オーバーツーリズムと呼ばれる住民へ影響を及ぼす交通渋滞や不法なゴミ投棄の問題は無視できない課題であり、ホテルや旅館をはじめとする宿泊施設も東京をはじめとする都市部において増え続けていますが、環境に配慮した運営が求められています。宿泊施設が掲げる目標の代表的な例として、客室の付帯備品であるアメニティの脱プラスチック化がありますが、既にプラスチック素材のものを使用しない、もしくは、一度切りの使い捨てではなく家に持ち帰って長く使えるものを提供しようという方向へ舵を切っています。

 海外系の旅行会社が行った「サステナブル・トラベル」に関する調査結果では「サステナブルな旅が自身にとって重要である」と回答したのが、世界では全体の81%、日本では73%という結果でした。しかしながら、現在、私たちが宿泊施設を予約しようとする際、現在の旅行会社や宿泊予約サイトにおいてはSDGsの視点をもって宿泊施を選択することができる仕組みが未だ整っていないように思います。

 そのようななか、今年に入って公益財団法人東京観光財団の研究から「東京サステナブル情報マニュアル」が発行され、「レスポンシブルホテル」なる言葉も登場しています。今後、このような環境・社会・文化への取り組みを測る指標は、宿泊予約サイトをはじめとする流通に宿泊施設が乗る際、予約者から求められる選択の基準となってくるのではないでしょうか。

 7月15日㈯は暑さ厳しい折、70名もの受講者の皆様が川村学園女子大学・目白キャンパスへご来場いただきました。 

目白キャンパスの教室で開講されました

~受講生の声(一部)~
・知らないことが多くて大変参考になりました。(60代・女性)
・旅の楽しみ方をいくつか提案していただき、自分の旅の方向もふくらみました。(60代・女性)
・業界の話、現状など興味深い話が多かったです。これから旅の準備が変わりそうです。(40代・女性)
・これから旅行するための有益な情報が得られ楽しかったです。知識を含めた情報もあって素晴らしい講座でした。(性別・年代記載なし)

 受講生の皆様、ご参加いただき誠にありがとうございました。(担当:観光文化学科 山田 祐子)