日本文化学科では、日本の伝統芸能に触れるべく、毎年1~3年生を対象とした鑑賞会を実施しています。今年の2年生は9月21日に、国立劇場文楽鑑賞教室(於 新国立劇場)を鑑賞しました。
国立劇場文楽鑑賞教室の今回のプログラムは「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」「解説 文楽の魅力」「夏祭浪花鑑 釣船三婦内の段・長町裏の段」です。前半の「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」は八百屋お七の伝説を戯曲化した少女の悲恋を描いた作品で、後半の「夏祭浪花鑑 釣船三婦内の段・長町裏の段」は強欲な舅を誤って殺害してしまう俠客の話です。「悪い人でも舅は親、南無阿弥陀仏」と切っていく立ち廻りが、不釣り合いな祭囃子のなかで演じられる見応えのある作品です。
文楽を初めて観る学生も多かったですが、作品性が異なる2つの演目を通して、文楽の世界を学びました。
※※ 学生の感想 ※※
・初めて文楽を鑑賞し、人形の細やかな表情やダイナミックな動作が印象的だった。なかでも人形の喜怒哀楽を表現し、人間らしさを演出する、人形遣いの技術力に感銘を受けた。解説VTRで文楽の歴史や魅力を上映していたため、理解しやすく楽しく鑑賞することができた。文楽の人形遣いはライオンキングにも取り入れられていると知り、人々に長年愛されるエンターテインメントであるとわかった。「伊達娘恋緋鹿子」は、白雪が舞う中、お七が懸命に火の見櫓の梯子を登る場面が印象に残っている。半鐘を鳴らすお七の姿は切なくも儚げな雰囲気が漂っていた。「夏祭浪花鑑」では、後半の殺伐とした場面は台詞がないものの、迫力ある動きから、緊迫した状況が伝わってきた。太夫・三味線・人形の調和が織りなす世界観に引き込まれ、文楽の魅力を存分に感じられた。生で鑑賞する重要性を改めて感じ、今後は自ら劇場に足を運んでみたい。