2025.12.22
史学科

<学外授業>文楽を観てきました!

12月6日、日本史演習(3年生ゼミ)の学外授業で文楽を見てきました。演目は近松門左衛門の「国姓爺合戦」です。

                      (出典 https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2025/0712/)

「国姓爺合戦」は明国出身の父と日本人の母のあいだに生まれた主人公・和藤内(わとうない)が中国に渡り、異民族に滅ぼされた明国の再興のために奮戦する物語です。今回は和藤内と両親が明の遺臣・甘輝(かんき)将軍の城を訪れて協力を依頼する場面、「楼門」「甘輝館」「紅流しより獅子が城」の3幕が上演されました。和藤内の異母姉で現在は甘輝将軍の妻となっている錦祥女(きんしょうじょ)を中心とする人々のやり取りや葛藤のさまが見どころです。普段の鑑賞教室では見られない異国風の舞台セットや衣装も見ごたえがありました。

鑑賞後、学生からは様々な感想が寄せられました。その一部をご紹介します。
・文楽を初めて見たのですが、過去に見た歌舞伎やオペラと違い、人間ではなく人形から登場人物の感情を読み取る必要があるので、比較的鑑賞者の技量が必要な娯楽であると感じました。文楽は3人の人間で人形を操作しているということです最初に説明がありましたが、メインの人が他の2人にサインを出して連携しているとのことで、とても難しそうで凄いなと感じました。 
・手足や表情、髪の動きまでが計算されたように繊細な動きをしており、まさに人間よりも人間らしいという表現がぴったりだと感じた。喜怒哀楽などの感情も、動きをはじめ音なども加わって、感情移入してしまいそうな迫力を感じた。
・物語が終盤に差し掛かった際の舞台の切り替えにも迫力があった。最初は日本の伝統芸能なのに中国を舞台とすることに驚いたが、音や舞台、顔つきや衣装などで各国が分かりやすく区別されていたのもすごいと感じた。 
・初は人形遣いの人が気になりましたが時間が経つにつれ気にならなくなり、太夫1人の語りや台詞回しなのに複数人を演じ分けていてまるで人形が生きているように錯覚し、この感覚を逃さないような舞台装置の早い転換が素晴らしかったです。錦祥女と主人公の母が死ぬシーンで人形遣いがはけていくのを見て、「魂が抜ける」というのはこれかと思いました。

                      鑑賞後の記念撮影