川村学園女子大学の史学科の特徴は、最初に日本史も世界史も幅広く学び、それから自分が専門とする関心分野を見つけていくことができる点にあります。まず1年生では、日本史研究入門、アジア史研究入門、西洋史研究入門を履修します。
今回は西洋史研究入門の授業を紹介しましょう。(※図版はヴァチカン宮殿の署名の間にあるラファエロ作「アテネの学堂」です。)
担当は原田晶子先生です。原田先生の専門はドイツ中世史ですが、この授業では、古代ギリシアから第二次世界大戦後までの西洋史を扱います。
授業では、毎回テーマが変わり、それぞれの時代に特有な社会のあり方について考えていきます。政治や経済だけではなく、宗教と社会の関係や⽇常⽣活にも焦点を当てていくこともこの授業の特徴です。(※今学期はマスク&ソーシャル・ディスタンス&換気です!)
今年の西洋史研究入門では、つぎのようなテーマを扱っています。
≪前期≫
・古代ギリシア(「白いギリシア」の幻想/ポリスに生きる人々)
・アレクサンドロス大王の遺産
・古代ローマ(古代ローマの市民社会/帝国の変容とキリスト教)
・ヨーロッパの誕生(王権とカトリック教会/中世の神聖ローマ帝国)
・中世ヨーロッパの発展(修道院の世界/十字軍とその影響/煉獄の誕生:一般信徒の
信仰心)
≪後期≫
・ルネサンスの神話
・大航海時代と近代世界システム論
・宗教改革-宗派化の時代-
・主権国家の確立:16-18世紀(「国際政治」の誕生/イングランドとフランスの中央集権化)
・アメリカ合衆国の形成
・18世紀の啓蒙主義の時代
・フランス革命とナポレオン
・長い19世紀(国民国家の誕生/19世紀の工業化/19世紀の帝国主義)
・二つの世界大戦
・(戦後ドイツの)過去の克服
いかがでしたか?この中に興味があるテーマはありましたか?
実は理系の学問同様、歴史学の学説も変化します。この授業では、学説の変化にも触れていきます。(詳しくは授業で!)