学生の皆さまへ  学長からメッセージ 5月11日

オンラインにて授業を始めるに当たって 

 

学生の皆さまこんにちは! 

いよいよオンラインでの授業がはじまります。

 

この一か月、私たち川村学園女子大学の教職員は、先の見えない手探りの中、どのように皆さまと繋がっていけばよいのか、戸惑いながらも出来るだけのことをしようと総力を挙げて励んで参りました。

 

特に一年生は、在校生として一度も大学に足を踏み入れたことがなく、担任にも学科の同級生とも顔を合わせたことがないので、どんな不安を抱いているのか、まず声を聴いてみようから始めました。そして沢山の新しい声を聴かせて頂きました!

 

一方、4月7日には「緊急事態宣言」が発出され、自粛要請は5月6日までとされましたが、事態はその後も対面によるガイダンスや授業が出来るようになるとはとても見えなかったので、本学もその時点で遠隔によるガイダンス・授業の方に舵を切りました。その後のことは大学HPに逐次アップされているとおりです。

 

多くの人が携帯やスマートフォンなどの通信機器を有する時代ではありますが、果たしてそれで授業が出来るのか? 本当に温かみのあるまともな授業が展開できるのか心配しましたが、やらなければなりません。学内ではICT支援委員会にて、そうした機器に精通している教職員を中心に全員で学び合いながらようやく今日を迎えたような次第です。まだまだ十分でないところもあろうかと思いますが、様々な不具合や困難をともに乗り越えて頂きたいと願う次第です。(通信機器の接続に限らず、困ったら何でもご相談ください。)

 

今般の新型コロナウイルスはとても扱いにくい相手です。人の健康を奪うばかりでなく、人の活動をも奪います。こうしたもどかしい非日常を強いる対象を私たちはあまり知りません。でもどうでしょう? 私たちはあまり知らないだけで平素からもどかしい思いをしている存在を知らないだけかも知れません。歯を食いしばって努力して何かを達成すれば人は讃えられますが、自分の能力を封じられ、活躍が禁じられるのは苦しいだけで誰の賞賛も得られません。英国の詩人ジョン・ミルトンは、過労から失明したとき、光が奪われた自分にどうやって才能を発揮せよというのかと神に詰め寄ります。やがて、偉大なる神が小さな自分の才能を欲しがるわけがないと悟り、もどかしさを抱きしめて詩の最後を「ただ立ち尽くして待つだけのものもまた奉仕しているのだ」(‟They also serve who only stand and wait.”)で結びます。

 

学生の皆さまもそれぞれにこの突然の価値観の変転に対して、様々なことを考えられたことと思います。自分たちの知っている世界や価値は、まだ知らない別の世界や価値と並んでいる一つの世界に過ぎないことを知ることも、大学で学ぶことの大きな意味です。図らずも新学期早々に見舞われたこのコロナへの難しい闘い方からも何かしら学べるものがあるかもしれません。

 

今少し、ともに頑張りましょう。

 

                           令和2年 5月11日 

                           川村学園女子大学学長  熊谷園子