学びのポイント
1年次
1年生では、心理学以外の幅広い知識を学びつつ心理学の基礎の講義があります。そして学び方の基礎も基礎ゼミナール等で習得します。さらに国家資格である公認心理師科目の心理実習(入門)を開講しています。公認心理師を意識している学生は1年生の時から座学では得られない経験をすることができます。
2年次
2年生では心理学科の中心的科目の1つである心理学実験が開講されます。この科目を履修することで、心理学的な測定、測定データの分析、分析データをレポートとしてまとめる基礎を習得します。また専門科目の履修も増え、社会調査士の資格科目(たとえば心理調査法概論等)も開講されます。
3年次
3年生になるとゼミ(心理学ゼミナール)が始まります。1~2年で学んだ心理学の知識と測定・分析技法を、自身の学びたい研究領域で活用します。同時に新たな専門科目の履修で知識を深めつつ、資格関連科目(たとえばアンケート調査法や心理実習(基礎))で今後の方向性も見据えます。
4年次
4年生になると卒業論文作成を本格的に行います。その際には1~3年で学んだ知識に基づき、観察・実験・検査・調査・面接等の測定技法を駆使したデータ収集、そのデータの統計的手法による解析が求められます。加えて公認心理師を目指す方は心理実習(応用)で複数の現場実習を行います。
カリキュラム
人材育成目標
認知・社会、発達・臨床の多領域にわたる心理学を修得し、対人関係力、心理学的支援力、科学的思考力を培って、自分らしい切り口を見出し、自己を取り巻く環境を豊かにするアプローチができる人材の育成。
カリキュラムの特色
大学ではじめて本格的に学ぶ「心理学」なので、段階を追って、じっくりと、基本的な知識・技術を身につけていきます。いろいろな領域の講義に触れ、自分に合った心理学の分野を選んで、深めていきます。国家資格「公認心理師」も、1年次で心理実習(入門)を履修し、臨床の現場を見学してから、意思決定していくことができます。
カリキュラムは2023年度のものです。
掲載内容については変更する場合があります。 *必修科目

- ドキドキしたこころを測定する
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- ●ヒトのこころは実験的にも測定できます。人前でスピーチした時の血圧や心拍数、そして唾液を分析することで、ドキドキ具合がわかります。
- ●このような実験実習が2年次から始まります。最初は大変ですが、経験を積むと、みんな実験実施からレポート作成までできるようになります。

- ロールプレイで学ぶ
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- ●場面を設定し何かの立場の人を演じるロールプレイ形式は、心理学的支援力を身につけるうえでは有効な方法です。
- ●たとえば裁判では、弁護士、検察官、裁判官など、どのような立場の人が、どう関わりあって裁判が進んでゆくのか、「法廷場面」で役割を演じながら体感的に理解します。
学生のオススメ授業

心理学科 4年 M.O
心理学ゼミナール
美術、音楽、映像作品など、芸術による「美」とは何かを心理を通して学ぶ授業でした。なぜ美しいと感じるのか、人間の認知の仕方と作品の工夫が組み合わされることで美が生まれると知り、とても感動しました。

鵜沼 秀行 教授
授業内容紹介
私たちの身の回りにある「美しい」「いいな」と感じる物は、なぜそのように感じるのでしょうか。私たちのゼミは、例えば美しいデザインの家具、文具、スマートフォン、あるいは映画や絵画などのエンターテインメントや美術作品、さらに音楽などをテーマにして、私たちがどのようにそれらを感じているのか、それはなぜか、を研究しています。
主な開講科目
1年次 【心理学概論】
心理学科学生を対象とした心理学入門の授業です。「こころとは何か?」をお伝えする側面も持っていますが、実際のところは「こころとは何か?」担当教員にもわかりませんし、厳密にはわかってはいません。これまでわかっている心理学を伝えつつ、受講生と教員が心理学について考えていく授業です。
1年次 【心理実習(入門)】
入学して間もなく「実習」が始まります。保育園・高齢者施設・司法機関などの現場で心理学がどのように生かされているかということを直に学びます。実習の前後には、実習先の施設についての学びを深めながら、心理職に特有な活動内容についても学んでいきます。
2年次 【心理学実験】
心理学が科学であることを実体験できる授業です。観察・実験・検査・調査・面接等の測定技法の基礎を実際の実験実習を通じて学びます。実験実習で得られたデータを統計技法も利用した上でまとめ、レポート作成につなげる経験を積み上げる授業です。
2年次 【心理調査概論】
この授業では、心理調査の基礎を体験しながら学び、心理調査の進め方、データ分析の仕方、レポートのまとめ方などを身に付けていきます。本科目を含めた6科目の単位取得によって、「社会調査士」の取得が可能になります。
2年次 【青年心理学】
人間は一生にどのような成長を遂げるのでしょうか。中学・高校と過ごしてきた大学生の青年期を発達と臨床、2つの視点から理解するのが青年心理学です。学生から社会人へと変化する若者の心理を昔と今を比較しながら期待される発達課題を検討します。
2年次 【発達心理学】
人が、生まれてから死に至るまでの一生の中でどのように変化していくのかについて、解説していきます。また、現代の子どもたちの問題を取り上げ、心理学的視点を持つことで子どもの発達をどのように支援していくかについて考えていきます。
3年次 【心理演習】
具体的な場面を想定したロールプレイや事例の検討等を行うことで、心理支援の進め方を理解し、心理支援を行う上で必要となる基本的な知識と技能を身につけていくことを目標としています。公認心理師を目指す上でとても重要な科目です。
3年次 【健康・医療心理学】
心と身体は密接に関連しており、様々なストレスにより心身の状態は影響を受けます。この授業では、健康・医療心理学の観点から、健康増進・メンタルヘルスの重要性を学ぶとともに、多職種と連携しながら心理的治療や心の支援に携わって行く方法について学びます。
3年次 【集団心理学】
集団の中での人の心や行動について学びます。また集団や社会の中で、どのような問題が起こりやすいか、どうしたらよりよい人との関わり方ができるかなどを考えていきます。
4年次 【心理実習(応用)】
多くの実習科目の総仕上げの科目として、より専門的な観点から学外での実習を行います。心理5領域(医療・司法・教育・産業・福祉)のそれぞれの外部施設の心理師から、具体的な事例などを通して直接学ぶことができます。
卒業論文について
卒業研究テーマの一例
- ●コロナ渦におけるマスク習慣がヒトの表情読み取りに及ぼす影響について
- ●文字フォントが文章イメージに及ぼす影響
- ●クラシック音楽作品の感情価の測定と認知的パフォーマンスの関連
- ●発達障害児へのイメージと世代・接触経験との関連
- ●SNSに投稿する写真のこだわりと自己顕示欲・自己愛の関連
- ●女子大学生における自己肯定感と被服行動・関心度の関連の検討
- ●先延ばし行動が自尊感情に及ぼす影響
- ●セルフ頭皮マッサージを用いたリラクゼーション効果の検討
- ●方向音痴はゾウの後ろ姿を上手に描けるか
- ●妬み感情の強さとひとりでいられる特性に関する調査