教員について

指導教員について

 
◆修士論文指導教員選定資料(「心理学特別研究」の内容)
 

●臨床心理学領域
 
教授 西川 將巳

元来、心療内科臨床医であるが、心療内科における治療には心理療法が不可欠である。臨床講義においては、心身医療において必須である種々の心理療法の修得を目指して指導している。研究領域は、心身相関に基づいた脳機能研究である。自らの研究テーマに加えて、今の関心は、「心理学」と「医学」をいかに橋渡しすることができるかということ。臨床を志す学生のサポートができればと考えているが、臨床を支えるものは、evidenceであると信ずる。大学は、学生を育てる場であると同時に、学問の場である。心理臨床の場で発揮できるような臨床的センスを鍛えると共に、心身相関や脳機能等に関する研究にも携わって行きたいという気概ある学生とともに、様々なDiscussionを行っていきたい。

 

教授 田中 裕

「こころと身体」の関連という視点から人間の心を捉えることは、基礎的な心理学のみならず臨床心理学において必要不可欠である。本特別研究は、脳波・心電図・皮膚電気活動等の生体電気信号およびコルチゾルおよびα-アミラーゼ活性等の測定結果に基づいた修士論文作成に関する研究指導および助言を主とする。しかし、各個人のニーズに配慮しつつ、健康心理学的な視点(たとえば、日常の生活リズム等を基盤とした心と身体に関する研究やストレス研究)を持った修士論文作成にも対応する。

 

教授 北原 靖子

発達や教育に関わる心理学研究と臨床実践を志す場合の援助をします。発達グレーゾーンの幼児と保護者との関わり、発達障がいの診断をもつ児童生徒への支援、健やかな育ちを育む放課後子ども教室の活動プログラムなどは、これまで修士論文研究において手伝うテーマの例です。今日の社会では高齢者のこころの健康維持も重要な発達支援課題ですから、積極的に取り組んでほしいと考えています。発達や教育に関わる現象は、質問紙法や面接法では捉えきれないことが多いものです。質的分析・事例的検討・行動観察をはじめ多様な方法論を学びつつ、自身の研究テーマ追求に適当なものを選択できるよう助言していきます。また発達・教育領域には、さまざまな立場の人々が複雑に関与するので、調査研究や臨床実践にあたって厳しい倫理規範が要求されます。希望によっては地域の現場も紹介できることがありますが、自覚と責任をもって参加できるよう「報告・連絡・相談」といった動き方の基本から指導していきます。

 
教授 松原 由枝

臨床心理学領域を専攻する院生を対象とし、各自の学問的興味と関心を鮮明にしつつ、修士論文に向けての研究課題と研究計画を絞り込み、具体的で現実的な指導と援助を行う。
 現代人は世紀末を経て新しい世紀への転換期に生き、まさにその激流に身を委ねている状況といえる。かつて、我々の「心」について今ほど多くの事柄が、心理学やその他の隣接領域で連呼された時代があっただろうか。心理学は「心」を探求・科学する学問であり、それ故、真摯な態度と幅広く豊富な知識とセンスが要求される。
 将来、本大学院を修了後、各臨床現場で院生時代に培ったものを最大限社会に還元・貢献できるよう、品格と専門性を備え活躍することができるよう、本特別研究では文頭に述べた如く、現代心理臨床学の潮流を踏まえ、具体的で学問的な視点を踏襲し、活発な討論を行いながら指導していきたいと希望している。

 

教授 簑下 成子

数百件の司法精神鑑定心理助手の経験から、犯罪心理学の研究を実施しています。芸術と臨床心理学を融合させ、その人らしさとは何かを臨床心理学的に追求しています。1,各種の芸術療法、なかでも即興を用いた作曲療法を実践しながら、ストレス緩和作用を調査しています。2.表情認知能力を測定する心理テストや、雑談力を測る心理テストを日本古来の芸術である能面や鳥獣戯画などを用いて開発しています。3.犯罪心理学(臨床心理学的アプローチ)の分野では、臨床力を養うために、精神鑑定心理助手の陪席や各種心理テスト解析(ロールシャッハテスト、MMPI、SCT、WAIS等)を通して、実施方法、解析技術、解釈や心理テストバッテリーの組み方、レポートの作成方法を学ぶ。また、心理テスト結果をフィードバックする手法も学んでいく。
 また調査研究や実験研究がどのように臨床の現場で役立っているかを体験させる。そのなかで医師、看護師、精神保健福祉士等の他業種のエキスパートとどのように連携していくのかを実践しながら学ばせる。

 

教授 渡邉 昭彦

発達障害の診断と治療が現在の主要な関心です。大学院では、診断の尺度・重症度評価の尺度、児童精神医学、あるいは心理臨床家として必要な薬物療法の講義を行っています。司法精神医学分野では医療観察法に基づく鑑定、裁判員制度下での精神鑑定に取り組んでいます。
 社会貢献としては、発達障害の地域医療のための研究会の組織、県児童福祉審議会委員、発達障害者支援センター・障害者職業センターのアドバイザーなど地域医療・地域精神保健分野の実践活動にも取り組んでいます。

 
 
●心理行動科学領域
 
教授 田中 裕

生理心理学・精神生理学領域の研究指導を行う。基本的には、脳波・心電図・皮膚電気活動等の生体電気信号およびコルチゾルおよびα-アミラーゼ活性等の測定に基づいた修士論文に関する研究指導が主体になる。測定技法未習得者への対応も心がける。また、日常の生活リズム等を基盤とした心と身体に関する研究やストレス研究といった健康心理学的な指向を持つ方への対応も行う。
 なお、研究成果については積極的に公にする(学会発表および審査論文投稿)ことを強く奨励する。

 

教授 鵜沼 秀行

知覚・認知心理学分野における実験心理学的研究についての研究指導をおこなう。特に視覚についての情報処理的研究および計量心理学的研究をとりあげる。指導可能な具体的テーマとしては、形と物体の知覚、視覚的注意、知覚学習、表情知覚などが考えられるが、そのほかの計量心理学的研究を中心とする認知心理学的研究テーマについても指導テーマに含めることがある。基礎的な研究法、特に実験法やデータ分析法、および論文の読解と執筆についての指導助言に重点をおく。学会発表や学術論文投稿を奨励する。

 
 
◆教員紹介
 
●臨床心理学領域
 
教授 西川 將巳(にしかわ まさみ)
人文科学研究科長、心理学科教授、心療内科医(日本心身医学会認定専門医)、臨床心理士、日本医師会認定産業医

担当科目 「心身医学(健康医療分野に関する理論と支援の展開)」「心理療法各論Ⅰ(1)」「臨床心理学特論」「臨床心理実習」「臨床心理実習Ⅱ」「臨床心理学研究法」「心身医学特論(1)・(2)」「心理学特別研究」
専門分野 心身医学(心療内科)、脳神経科学
研究テーマ 心療内科領域における心身相関に基づいた脳機能研究。EEG(脳波計)、MEG(脳磁図)、fMRI(機能的MRI)、PET(ポジトロンCT)などを用いた脳機能画像解析研究が中心。摂食障害やストレス負荷時の脳血流研究に加え、カナダ・モントリオール神経研究所への留学時には、PETを用いた脳内のセロトニン合成系の研究に携わった。また、パニック障害患者に対し心理療法(認知行動療法)を行い、脳内の機能がいかに回復するかということを明らかにした研究に携わる。最近では、EU-ADNIの主要機関であるイタリア・IRCCSアルツハイマー研究所でアルツハイマー病の脳画像研究に携わった。

 

教授 田中 裕(たなか ゆう)
心理学専攻長、心理学科教授、博士(心理学)

担当科目 「心理行動科学研究法(1)」「生理心理学(1)(2)」「心理学特別研究」
専門分野 生理心理学、精神生理学
研究テーマ こころと身体の関連の多面的評価を主たる研究テーマとしております。中でも特に瞬目活動(まばたき)の心理学的研究に強い興味があります。近年は意図的に瞬目を起こすことの心理学的意味について研究を進めております。また大学院生とともに、睡眠-覚醒リズム変動と環境適応に関する研究、コルチゾルおよびα-アミラーゼ活性を使用した不安状況評価に関する研究、等も行っております。

 

教授 北原 靖子(きたはら やすこ)
 心理学科長、心理学科教授、臨床心理士・臨床発達心理士

担当科目 「家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践」「臨床心理実習Ⅰ(心理実践演習)」「臨床心理実習Ⅱ」「臨床心理面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践)」「臨床心理学面接特論」「臨床心理面接特論Ⅱ」「臨床心理実習」「発達臨床心理学研究法」「教育臨床心理学研究法」「心理学特別研究」
専門分野 発達心理学、教育心理学、発達・教育支援
研究テーマ 発達の障害をもつ、あるいは遅れが疑われる子どもへの発達・教育支援だけでなく、家族や友人・先生など周囲の人々や地域の中で、理解と参加が進むためには何が効かを考察検討しています。巡回相談や研修など、周囲が学びや感性を深めてゆくための周辺支援も実践しています。

 

教授 蓮見 元子(はすみ もとこ)
心理学科教授、臨床心理士、学校心理士、言語聴覚士

担当科目 「臨床心理実習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と実践)」「臨床心理実習Ⅰ(心理実践演習)」「臨床心理実習Ⅱ」「福祉分野に関する理論と支援の展開」「臨床心理査定法演習」「臨床心理基礎実習」「発達障害心理学特講(1)・(2)」「心理学特別研究」
専門分野 発達心理学、教育心理学、発達臨床心理学
研究テーマ 子どもはいかに言語を獲得し、内的世界を構築していくのか、初期発達とその障害について研究しています。長年、小児病院やこどもクリニックで、発達臨床を行ってきました。発達障害児の言語獲得の遅れは、表象機能の発達の遅れによるところが大きく、その基礎となる心像(イメージ)の形成について、ごっこ、描画、物語ることなどの認知機能に焦点をあてて研究しています。現在は、生涯発達心理学の視点から、児童期の子どものコミュニケーション能力や高齢者の認知障害についても研究しています。

 

教授 松原 由枝(まつばら ゆえ)
心理学科教授、博士(文学)、臨床心理士、大学カウンセラー、学生相談室カウンセラー、ソンディテスト分析家国際ディプロマ取得(スイスソンディ研究所認定2009)

担当科目 「臨床心理学特論」「臨床心理基礎実習」「臨床心理実習」「臨床心理演習Ⅱ」「深層心理学概論(1)・(2)」」「心理学特別研究」
専門分野 臨床心理学、心理臨床アセスメント、実験衝動診断学(ソンディ・テスト)、箱庭療法、コラージュ療法
研究テーマ 診断道具としての心理テストを心理面接・カウンセリング場面で如何に活用して行くべきか、という課題に添って、テストが担う診断機能の域を越えて、心理治療・心理教育への新たな活用について研究を展開しています。

 

教授 簑下 成子(みのした せいこ)
心理相談センター長、心理学科教授、臨床心理士

担当科目 「臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習)」「臨床心理実習Ⅱ」「臨床心理面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践)」「臨床心理面接特論Ⅱ」「臨床心理学面接特論」「臨床心理基礎実習」「臨床心理実習」 「心理学特別研究」
専門分野 臨床心理学、表情認知の臨床心理的アプローチ、高次能機能患者に対する治療的心理テストの開発、芸術療法、災害時の心理援助
研究テーマ 統合失調症患者、脳腫瘍患者を対象とした能面を用いた表情認知研究やこころの理論についての実験的手法による展開。音楽療法などを中心とした芸術療法の開発。東海村臨界事故後の住民の臨床心理的調査と援助。

 

教授 渡邉 昭彦(わたなべ あきひこ)
 生活文化学科教授、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医

担当科目 「臨床心理実習Ⅰ(心理実践演習)」「臨床心理実習Ⅱ」「臨床心理実習」「精神医学特講」「精神薬理学」「心理学特別研究」
専門分野 児童青年精神医学、司法精神医学、芸術療法
研究テーマ 児童思春期の精神障害、特に発達障害の診断と二次的精神障害の治療、およびソーシャルサポート研究。触法精神障害者の鑑定、および評価尺度の開発。

 

 准教授 佐藤 哲康(さとう てつやす)
心理学科准教授、臨床心理士、大学カウンセラー

担当科目 「心理療法各論Ⅰ(認知行動療法)」「心理療法各論Ⅰ(2)」「臨床心理実習Ⅰ(心理実践演習)」「臨床心理基礎実習」「臨床心理査定演習」
専門分野 青年期臨床心理学(学生相談)、認知行動療法、グループカウンセリング、アサーション・トレーニング
研究テーマ 大学生の人間関係や自己表現に関するアセスメントツールの開発、個別また集団を対象にしたアサーション・トレーニングの実践と消極的なコミュニケーションの変容。
 
 
●心理行動科学領域
 
教授 田中 裕(たなか ゆう)
心理学専攻長、心理学科教授、博士(心理学)

担当科目 「心理学特別研究」「心理行動科学研究法(1)」「生理心理学特講(1)・(2)」
専門分野 生理心理学、精神生理学
研究テーマ こころと身体の関連の多面的評価を主たる研究テーマとしております。中でも特に瞬目活動(まばたき)の心理学的研究に強い興味があります。近年は意図的に瞬目を起こすことの心理学的意味について研究を進めております。また大学院生とともに、睡眠-覚醒リズム変動と環境適応に関する研究、コルチゾルおよびα-アミラーゼ活性を使用した不安状況評価に関する研究、等も行っております。

 

教授 松井 洋(まつい ひろし)
教育学部長、児童教育学科教授

担当科目 「心理学特別研究」
専門分野 社会心理学、文化心理学、教育心理学、青年心理学
研究テーマ 若者の生き方、考え方の文化比較、大学生の適応について研究しています。

 

教授 鵜沼 秀行(うぬま ひでゆき)
 文学部長、心理学科教授、博士(教育学)

担当科目 「認知心理学研究」「心理行動科学研究法(2)」「認知心理学特講(2)」「心理統計法特講(1)・(2)」「心理学特別研究」
専門分野 知覚・認知心理学
研究テーマ 人間の視覚的認知に関する実験心理学的研究。特に、形の知覚、対象(物体)認知、視覚的注意、知覚学習、表情知覚、などをテーマとしています。

 

准教授 桂 瑠以(かつら るい)
心理学科准教授、博士(人文科学)

担当科目 「社会心理学研究」「社会心理学特講(1)・(2)」「集団力学特講(1)・(2)」
専門分野 社会心理学、教育心理学、発達心理学
研究テーマ メディアが使用者に及ぼす影響、メディア教育などをテーマとして、メディアのよりよい使用法を検討しています。