文楽鑑賞教室

124日(土)、国立劇場の文楽鑑賞教室に参加してきました。 

前半では文楽の歴史や太夫と三味線の役割について解説が行われました。娘、老婆、武士の役柄をそれぞれ演じ分けが行われ、それぞれの違いを実感しました。後半は「新版歌祭文~ 野崎村の段」。安永9年(1780)に大坂の竹本座で初演された、近松半二の作品です。「野崎村の段」は久松をめぐる許嫁のおみつと恋仲のお染の駆け引きや恋心、実直な親心が見られる本作品の山場の場面です。  

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・内容を理解しきれない不安があったが、野崎村の段が始まる前に人形浄瑠璃の見方を分かりやすく説明してくださったため、多角的な視点で楽しむことが出来た。作中では、2人の惹かれ合う心の強さを察して婚儀の着物から、切った髪を露にして袈裟を掛けるおみつの姿が非常に切なく、印象的だった。どのように「三味線の音色で泣いている事を表現する」かとても興味深かったが、泣いている声というよりこぼれ落ちる涙を描写しているような音色に感じ、表現の面白さを感じる事が出来た。  

・お染と久松が「今日限りでお互いの縁を切る」と久作に宣言したのを聞いていたお光は「口ではそう言っているけれど本心は違うはず」と鋭い指摘をした場面が一番印象に残っています。女の嫉妬、感はこの時代から鋭いものなのだなと思いました。  

・最初は内容が理解できるかな…など不安もありながら見始めましたが、思ったよりもずっとわかり易く、また太夫の方の演じ分けもすごくてとても面白かったです。人形遣いの方も、動かすだけでなく表情などまで人形とリンクしている部分があり、近くで見られてとても贅沢な体験だったと感じました。前半は「人形」として観ていたのに後半になるにつれてひとりの「人」として表情や感情がみえてきたのも今までに無い体験でとても楽しかったです。  

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 2年生の文楽鑑賞教室は恒例の課外活動です。今年度の実施には不安もありましたが、今後も状況を見ながら、日本文化に触れる活動を継続していく予定です。