2020年度夏期 「白熱教室」中止のお知らせ

生活文化学科では、管理栄養士国家試験、栄養士実力認定試験、フードスペシャリスト試験、家庭料理技能検定などの受験対策として、在学生と卒業生を対象に年に2回「白熱教室」を実施しています。

しかし、新型コロナウィルス感染症の感染が再び拡大している状況を鑑み、残念ではありますが9月に予定していた白熱教室を中止する決定をいたしました。

そこで、白熱教室の担当の先生から、科目ごとにメッセージをいただきました。試験対策の参考にしてください。

 

 前回の第34回はオーソドックスな基礎的な問題、過去問に類似した問題が多く出題されました。同時に思考力を必要とする問題解決型の内容も見られました。

まずは自分に合った過去問題集を準備し、問題を解きながら、基礎的な学習を進めましょう。

 

【公衆衛生学】

公衆衛生学の問題は広範ですが、特にしっかりと学んでほしいのは「健康状態・ 疾病の測定と評価」です。疫学の概念と指標(ハザード比、オッズ比など)や疫学の方法(横断研究、コホート研究 、ランダム化比較試験など)、バイアスや交絡の制御と因果関係の判定、スクリーニング、根拠(エビデンス) に基づいた医療 (EBM)及び保健対策(EBPH)といったところは難解です。時間がある時に言葉の意味と解りやすい事例を整理して覚えるようにしましょう。過去問題は必ず正答に直して覚えることも大切です。

 

【臨床栄養学】

栄養基準を考えるため、どうしても検査データを読む力が必要となります。まずは、糖尿病、糖尿病腎症、腎臓疾患、それぞれの違いを理解しましょう。近年、老年症候群の栄養アセスメントと栄養ケアも出題されていますので、確認をしておいてください。

 

【栄養教育】

個人および集団に関する行動変容に関する理論とモデルについての学習がまず必要です。プリシード・プロシードモデルは栄養教育で頻出されます。栄養教育の目標設定や学習形態も理解を深めてください。

 

【公衆栄養学】

公衆栄養活動に必要な用語や活動内容を覚えて理解してください。また、我が国の栄養政策、行政のしくみ、憲法25条や法律(栄養士法、健康増進法、地域保健法、食育基本法など)について覚えてください。

 

【調理学】

調理学は食べ物と健康の分野で出題されます。出題数は3問ほどですが、第34回は食肉の部位、鶏卵の調理、飲み物調理など、実践的な内容が出題されました。同分野の食品学、食品加工学等と関連付けながら勉強するといいでしょう。同時に調理をする時はどうする?という実践面もイメージされるといいと思います。

 

【給食経営管理論】

この科目は18問出題されます。少しずつ問題の内容が難しくなっていると思います。さらに、実践的な問題が出題されるようになりました。

例えば、施設の作業導線図から考える問題、調理従事者の衛生管理等に関する問題など実践力、思考力が求められています。いずれも、給食システムやマーケティング、大量調理施設管理マニュアルなどの基礎的な知識があれば解ける問題です。

まずは基礎的な知識の習得を目指しましょう。特に、衛生に関するマニュアルやシステムについては正確な理解をしましょう。

 

【生化学】

難しい言葉がたくさん出てくる「生化学」は苦手意識を持っている人も多いと思います。私も学生時代、苦手でした。まずは、3大栄養素が「どのような形をして、どのような働きをするのか(構造と機能)」そして体の中に入った時に「どのように代謝するのか」を大まかにとらえ、理解しましょう。理解せずに、言葉だけを暗記するのは反対に難しいと思います。

本当に苦手、という方は、以下の参考書をおすすめします。大変分かりやすく書かれています。

<参考書>

稲垣賢二 監修『これだけ!生化学』秀和システム

ISBN:978-7980-4226-8 3045

 

【基礎栄養学】

基礎栄養学は生化学と内容が重なる部分が多くあります。したがって、生化学とセットで勉強していくことが必要です。生化学と同様に栄養素の「構造と機能」「代謝」を理解することがまず基礎となります。以下の参考書は、生化学と基礎栄養学の重なる部分がまとめて書かれていますので、同時に学んでいくには大変わかりやすく、おすすめです。また、国家試験に出題された部分には線が引かれ、何年に出題されたのか記載されている為、国家試験に重要な部分(何度でも出題される文章)と、まだ出題されていない部分(大事ではないので出題されないor今後出題される可能性)が一目瞭然です。大学時代に授業で使用していた教科書を用いて学ぶことでも十分と思いますが、一から学びなおすという場合には、おすすめの教科書(参考書)です。

<参考書>

池田彩子 他『生化学・基礎栄養学(栄養科学ファウンデーションシリーズ)』朝倉出版

ISBN:978-425461

 

【食品衛生学】

毎年食品衛生の分野は、89問前後の問題が出題されています。食品衛生と法規、食品の変質、食中毒、食品中の有害物質、食品添加物の範囲は、細かく勉強しておきましょう。また、食品表示、保健機能食品に関する問題も、出題頻度が高いので、最新の情報を調べ、覚えておく必要があると思います。

この時期は、1つの問題を丁寧に勉強するのがよいと思います。分からない部分をそのままにせず、しっかり調べて、理解を深めていきましょう。

 

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