「社会生活入門」―村瀬幸浩先生をお迎えして―

生活文化学科では、1年生必修の「社会生活入門」において、5月16日(木)、セクソロジー研究の第一人者であり、NHKテレビに何度も出演されている村瀬幸浩先生をお迎えしました。

村瀬先生には「深く、人間の性―自分の性と生をみつめよう」というテーマでご講義をしていただきました。恋愛と結婚の違い、人間の性と生の複雑さ・多様性など、先生の実話を交えたお話や理論的な裏づけ(エビデンス)のあるお話に、皆、真剣に聞き入りました。また、大学生活において、どんな学びや経験を積み重ねていけばいいのか、自分を見つめ直す絶好の機会となりました。

最初はどんな先生だろうかと緊張気味の学生たち
村瀬先生の熱のこもったお話を真剣に聞き、メモをとる学生たち

■学生のリフレクション・カードより

・村瀬先生の話を聞いて、私も「性」について思い込みをし、無知だったのだなと思い知りました。恋愛と結婚は今まで似ているなと思っていました。しかし、それぞれのプライバシーがあって、たまに会い、ときめき、ワクワクの気持ちが多いことが恋愛で、お互いの欠点も受け入れて、面倒なことを覚悟して、日々の積み重ねをしていくことが結婚なのだとわかりました。妻も夫もそれぞれ別の人間なのだから、しっかりコミュニケーションをとらなくてはならないことは納得ですし、先生がおっしゃられた「『二心異体』や結婚は『文化の広がり』」という言葉がずっと残っています。また、「性同一性障害」という言葉を使わず、「性別違和」という言葉を使っていることは良いと思いました。大学生のうちに先生の話を聞くことができてよかったです。親にも聞かせたいと思うくらい勉強になりました。(K. H.)

・今回の授業が始まる前は、「性」についての話といわれても、恋人もいない私にとっては大切な話だと分かっていてもどこか遠くに感じていました。が、恋愛や結婚についての話をきいて、人生のおおまかな計画を立てる際、必ず考えるべき話題でした。—略— また、最後の性的指向についての話も印象的でした。日本では同性同士の恋愛への偏見がまだまだあります。今後SNSなどによる生の声の発信も必要だと感じました。(N. K)

・私は村瀬先生の講義を聴き、結婚が楽しみになりました。不安なことはあるけれど、先生のように、お互いのことを知り、理解し、「仲良し」な夫婦になりたいと思います。(A. N.)

・人生観が変わりました。今まで聞いてきた性教育とは話が全く異なり、新しいこと、正しいことを聞くことができて、ためになりました。今後どういうふうに性について考えればいいかわかったし、相手の男性とどう性を分かり合うかを話し合ったりしたいと思えました。このタイミングで性について知ることができてよかったです。「覚悟」の重要性が結婚のキーポイントで、「他者」だから「二心異体」、コミュニケーションの重大性、相手も知る、自分も知ってもらうなど、これから恋愛して「結婚」を考えるようになったら絶対にこれらを忘れないで、幸せについて考えていきたいなと思いました。(N. T.)

・性について知識を身につけ深く知る人が増え、本能的に備わっているわけではないということを学べば、嫌な思いをする人が減少すると思います。(A. S.)

本講座では、学生たちのアンケート結果の要望に基づいて、恋愛と結婚、妊娠と出産、「性と生」の多様性についてお話していただきました。『恋人とつくる明日』『ヒューマン・セクソロジー』など、村瀬先生の著書も多数ありますので、みなさま、一度ご覧になってみてください。