2年次開講のプレゼミナール(今年度後期担当教員:伊藤)では、民俗学が扱う分野を幅広く学ぶために、文献購読と学外見学を実施しています。
学外見学では実際の行事等をみることにより、対象の理解を深め、またそこで感じた疑問を持ち帰り、文献講読に活かすのが狙いです。ここでは、今年度実施した全国民俗芸能大会の鑑賞と秩父祭り宵宮祭の見学を紹介いたします。
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11月24日に、第67回全国民俗芸能大会(文化庁補助事業)が日本青年館ホールで開催され、履修生が民俗芸能4団体の実演を鑑賞しました。
全国民俗芸能大会は民俗芸能の保存・振興を目的としたはじめられた事業です。その前身は1925年(大正14)年に開催された「郷土舞踊と民謡の会」というもので、歴史的にも重要な事業でもあります。
今回出演した真家のみたま踊り(茨城県石岡市)、新湊の獅子舞(富山県射水市)、煤孫ひな子剣舞(岩手県北上市)、高鍋神楽(宮崎県児湯郡)を拝見しました。
それぞれ、地元の寺社や家々などで行われる民俗芸能です。舞台ではその一部が披露されました。
五感を動員し、用紙いっぱいにメモをとりました。
どれも初めて見た民俗芸能でしたが、専門家による解説も参考にしながら、それぞれの特徴や相違点、疑問を履修生なりに読みとったようです。
全国民俗芸能大会公式ホームページはコチラ→https://nippon-seinenkan.or.jp/seinenkan/minzoku/
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12月2日に、秩父祭 宵宮祭(秩父夜祭)を見学しました。そこで行われる「秩父祭の屋台行事と神楽」は国の重要無形民俗文化財であり、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つとなっております。
今回は、神社および町会で行われる神事や地元の花柳一門と杵屋一門による「所作事・曳踊り」、秩父神社神楽、屋台・笠鉾の曳きまわしの見学を行いました。
曳き廻し 近くで見るとその大きさに驚かされます |
巨大な屋台をてこの原理で持ち上げる伝統技術 |
屋台行事(曳踊り) | 秩父神社神楽:天の岩戸開き |
祭りの臨場感を感じ、また実際の伝承されている方々とお話したり、ご当地グルメを味わったり、学外授業ならではの経験を得ることができたと思います。
屋台・笠鉾、神楽、神事、地域社会のしくみ、文化財行政の取り組みなど、こうした実際の事例を通して関心を深めていけるようにしていきたいですね。