史学科の4年生は、毎年夏休みにゼミ旅行に出かけます。
卒業論文と関係のある史跡などをめぐりつつ、
卒論の中間報告会を行います。
学生にとってはハードスケジュールですが、
仲間と過ごす時間はとても楽しいようです。
今回はまず、西川ゼミの旅行記をお送りします。
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日本史・西川ゼミの研修旅行は、今年は京都に行きました。
教員志望でまだ京都に行ったことがないという学生がいたので、
有名なところを観ようというのが今回のコンセプトです。
1日目は、
三十三間堂、平等院、宇治神社、宇治上神社、東福寺、伏見稲荷大社でした。
院政期、摂関期の建築を観て、宇治上神社の神殿を観ました。
時間に余裕があったので東福寺方丈。
境内で直前の台風で倒れた大木を見て、被害の大きさを実感しました。
東福寺からお稲荷さんまでは歩いて行った方が早そうだったので直行、
汗だくになって稲荷大社内の茶屋でかき氷を食べました。
鳥居の砂糖細工が乗っていて、学生は美味しそうに食べていました。
千本鳥居からさらに奥へと思ったら、台風被害のために登れませんでした。
参道で雀の焼き鳥を、なぜ雀なのかと言うことを話ながら食べましたが、
リアルな姿に学生は微妙な顔をしていました。
ホテルについて夕食まで卒論の報告会。
2日目は、清水寺。
地主神社は台風被害のため行けませんでした。
学生のリクエストで庚申さんに寄り、八坂の塔、石塀小路を経て八坂神社。
近世・近代のゼミなので絶対に行くと無鄰庵によって南禅寺へ。
無鄰庵はいつもの如く静寂で、小川治兵衛の庭を満喫しつつ、
昨日見た東福寺の重森三玲の庭との比較もしてくれていたようです。
洋館もじっくり見てくれました。
南禅寺は大木が倒れていました。
水路閣を通って南禅寺方丈。禅宗様の建築を実見しました。
かなり歩くよと言ったのですが、
きっとその間に昼食の美味しい店があるだろうという学生の意見に押されて、
南禅寺から銀閣寺まで哲学の道を制覇。
昨日からの雨も完全に上がり、蒸し暑い中をひたすら歩きました。
銀閣を見て同仁斎も重要なのだよと解説を加えました。
銀閣寺庭園も一番高いところは閉鎖されていました。最後は下鴨神社。
最終日は、金閣寺から龍安寺。枯山水を見ます。
昭和の尖った庭、明治の庭、南禅寺の様々な庭、枯山水の最も抽象的な庭と、
どのように受け止めてくれたでしょうか。
北野天満宮で安土桃山期の豪華な社殿を見て、
学生のリクエストで大将軍八神社へ。
神社に着いて、王城鎮護等と説明しながら何でここを選んだのと聞くと、
御朱印帳がかわいいからとのこと。
そういえば全部の寺社でみんな御朱印をいただいていました。
現在の流行のようです。
関西国際空港が閉鎖されためか全体に観光客が少なめで、
金閣寺や銀閣寺もしっかり見ることができました。
しかし南禅寺三門前に大木が倒れていたりして、台風の被害を実感しました。
文化財が伝わる難しさを考える旅となりました。
(Nishikawa)
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ゼミ旅行は学生たち自身が企画・手配を行います。
1~3年生の皆さんも、
行ってみたい史跡などを考えておいてくださいね。
史学科の友人としかいけないような、
マニアックな場所がおすすめです。