「社会生活入門」―村瀬幸浩先生をお迎えして―

5月24日、セクソロジー研究の第一人者であり、NHKテレビに何度も出演されている村瀬幸浩先生をお迎えして、「深く、人間の性―自分の性と生をみつめよう」というテーマでご講義をしていただきました。

 

「無知ほど悲しいことはない、無理解ほど淋しいことはない、特に性について。わかろうとしなければ、分かり合おうとしなければ、自然には分かり合えない。」

村瀬幸浩先生

最初はどんな先生だろうかと緊張気味の学生たち
村瀬先生のお話を真剣に聞く学生たち
講義終了後 村瀬先生と談笑する学生たち
講義終了後も気さくにお話ししてくださる村瀬幸浩先生

■学生のリフレクション・カードより

・今まで考えていたことと違っている部分が多くあり、とても勉強になりました。性的な関係をどのような形であれ、持ってしまうことは“心の支配・束縛”になることがとても心に残りました。相手を見極める力が大切だと思いました。一時の感情に流されることは自分の身を苦労させることになるのだろうと思いました。また、男性にも女性にも性的主体があり、相手のことを尊重し、考えることが必要であること、身体的な快感だけではなく、精神的な快感を得られることが大切であることを学びました。結婚することは日常の積み重ねであり、幸せな暮らしを営むためには努力することが必要で、恋愛している時とは感覚が全然違うんだと思いました。(S. K)

・性について向き合ったことはあまりなかったが、今回お話を聞き、相手をわかろうとする気持ちが大切だと気付きました。わからないことは聞き、お互いの思いを言い合い、分かり合うことがよい関係を作り上げることができると思いました。お互いの問題点を指摘しあうことは大切だと感じました。私は相手に言わなくてもわかってほしい、と思うタイプでしたが、自分が思っている以上に男の人は女性を理解できていないことを聞いたので、しっかりと言葉にすることが大事だとわかりました。私も自分のことしか考えていなかったので、相手のことをわかろうとし、コミュニケーションをしっかりとっていこうと思いました。自分の話を最後までしっかり聞いてくれるような人、間違いを認めちゃんと謝れる人、約束を守る人が良いと学んだので、私もこれらをしっかりしてよい女性になりたいと思いました。自分に合った良いパートナーを見つけられるように自分磨きもちゃんとしようと思いました。(A. U)

・結婚をすると子どもにも恵まれ幸せになれると思っていたので、早いうちに結婚したいなと考えていましたが、結婚するから「必ず幸せになれるわけではない」と聞いて、考えが変わりました。完璧な男性・完璧な女性はいないので、お互いがお互いを知り、自分のことをきちんと伝えることはとても大切なことだと理解しました。今までは「相手にどう思われるだろう、変に思われたら嫌だな」という思いで、自分の思っていることをちゃんと伝えることができませんでした。でも、これからは自分の気持ちをきちんと伝えていこうと思います。セックスについても、恥ずかしがらずに、自分のことをちゃんと伝えようと思いました。自分のことは自分でケアすることが大切だと感じました。(H. N)

・中学・高校と性について学んだことがありました。しかし、今までは性病やLGBTなどについての授業でした。今回の講義では恋愛や結婚等についてお話を聞くことができ、今までの考え方が間違っていたことを知り、もっと自分も勉強しなければならないと感じました。これから社会に出て、いろいろな出会いがあり、母親になるかもしれない私ですが、子どもの育て方など、もっと詳しく学び、知識をつけていきたいと思いました。(N. M)

 

 

本講座では、学生たちの要望に基づいて、恋愛と結婚、男女の欲求や意識の違い、妊娠と出産についてお話していただきました。『恋人とつくる明日』『ヒューマン・セクソロジー』など、村瀬先生の著書も多数ありますので、みなさま、一度ご覧になってみてください。