博物館で働く 4

史学科のブログでは昨年末より、史学科の卒業生で、博物館で働いている先輩の今と、寄せられたメッセージを紹介しています。

今回はその第4弾、沖縄県平和祈念資料館でこの8月まで働いていたH.Yさんの記事となります。

 

中学生の時に「ひめゆり学徒隊」を授業で学んだのをきっかけに、沖縄戦に興味を持ちました。実際に、資料館を訪れ、沖縄戦の実相と平和の尊さを次世代に伝えていく大切さを知りました。私も博物館の展示を通して多くの人に沖縄戦を知ってもらいたい思い、学芸員になることを目指して川村学園女子大学に入学しました。

大学卒業後は、沖縄県平和祈念財団の嘱託学芸員として沖縄県平和祈念資料館の情報ライブラリーに勤めました。主な仕事は、図書の管理、レファレンス対応、沖縄戦に関する調査・研究、子ども向けの企画展の立案・展示作業などです。企画展は、沖縄戦体験者の方々に聞き取り調査などを行い、調査内容をまとめ、イラストレーターを使って解説パネルやポスターを作成し、展示していました。

沖縄戦後七十余年が経過し、戦争体験者の方が少なくなっている現代に、インタビューができたことはすごく貴重な経験でした。また、自分が一から調査しまとめた内容を多くの方々に見ていただき沖縄戦を学んでいただいたことに、学芸員としてすごく大きなやりがいを感じました。

今年の8月に出産のため退職しましたが、また平和博物館関係で働きたいと思っています。

過去に開催した企画展を紹介します。

平成27年度 第5回企画展のポスター
平成27年度 第5回企画展のポスター

『摩文仁と学徒隊‐健児之塔建立70周年‐』  
昨年、男子学徒隊を祀る健児の塔が70周年の節目を迎えましたが、
沖縄戦の終焉地である摩文仁での男子学徒隊の実相はよくわかっていません。そこで、なぜ摩文仁に健児之塔が建立されるようになったのか考える機会とし、多くの子どもたちに関心を持ってもらうため、同世代の学徒隊に焦点をあてて展示を行いました。

展示作業の様子 自分たちでパネル等を作成しています。
展示作業の様子1
自分たちでパネル等を作成しています
展示会の様子 子ども向けの展示会のため、パネルの位置を低めにする工夫をしています
展示会の様子2
子ども向けの展示会のため、パネルの位置を低めにする工夫をしています
調査・研究のために、沖縄戦時に住民が隠れていた壕やガマに入ったりします
調査・研究のために、沖縄戦時に住民が隠れていた壕やガマに入ったりします
沖縄戦の終焉地である摩文仁に沖縄県平和祈念資料館は建てられました
沖縄戦の終焉地である摩文仁に沖縄県平和祈念資料館は建てられました
資料館の目の前には、沖縄戦で亡くなった全ての人々の名前が刻まれた「平和の礎」があり、毎年6月23日には慰霊祭が行われます
資料館の目の前には、沖縄戦で亡くなった全ての人々の名前が刻まれた「平和の礎」があり、毎年6月23日には慰霊祭が行われます