ゼミ旅行報告:広島(地理学ゼミ)

地理学を学ぶ生井澤ゼミは8月末に広島に行ってきました。その様子を報告します。
 
 
今年のゼミ旅行の行き先は、満場一致で広島が選ばれた。厳島神社を見てみたいとメンバーの誰もが思ったのと、3年のゼミで取り上げた、広島の「被爆の景観」に関する論文がずっと気になっていて、自分でも確かめてみたいことがそれぞれにあったからである。
 
 2泊3日の中日をまる一日、自由行動にしてもらえたこともラッキーだった。鞆の浦に行きたい人、尾道に行きたい人、呉に行きたい人、さらには、しまなみ海道を高速バスで渡って四国に行きたいという人まで現れて、コースを一本には絞れなかったというのが本当のところ。
 それに、実はこの旅、卒論の課題を背負っての旅であるというおまけ付き。おまけをどう考えるかは、各人しだい。
 
8月27日
 曇り空の東京駅を出発したら、すでに静岡あたりで雨。でも、自称晴れ女のおかげか、西日本はいい具合の晴れ。新幹線の広島駅に最も近いホテルに荷物を預けると、JRで宮島口に。
 フェリーに乗って潮風に吹かれていると、誰かが叫んだ。「間に合うかどうか、ギリギリ。」干潮で、海中に立つ鳥居の下まで、人の列ができている。また、彼女が叫ぶ。「潮がもう満ちてきている。」船を降りると、みんな一斉に浜に降りて、鳥居を目指す。目的を達成して神社を見学していると、建物の周囲の海底には一面に海藻のアオサがこびり付いていることに気が付いて、今度は満潮時の厳島神社が見たくなる。ただし、これはあきらめて宝物館に向かう。ここの宝物館は小さいけれど展示物が充実している。複製とはいえ、平家納経の前で、しばし立ち止まる。
 参道を歩いて土産物屋や飲食店を物色する。メンバーの目が一層輝く。「カキは焼きガキに限る」が本日の総括。
 
shigaku_news_20151005-01.jpg
 
shigaku_news_20151005-02.jpg
宮島の鳥居
 
 
8月28日
 自由行動の日。尾道の街歩きがこんなに疲れるとは。急な坂と階段。瀬戸内海を見下ろせる絶景ではある。駅前で、四国組と出くわす。今治タオルと書かれたビニール袋を下げている。「タオルには鮮度は関係ないからね。」とからかってみたら、「フカフカだぞ。」と言い返された。
 
 
8月29日
 広島市内を論文の内容を思い出しながら見学。被爆建造物の存廃論争については、メンバーで散々議論した。後はこの目で確かめるだけ。広島アンデルセンの建物が被爆建造物の保存と活用の観点から、高く評価されているという指摘については、やはり今回、実物をじっくり眺めてみて納得できた。
 現在の広島は、とても美しい都市である。しかし、原爆資料館で見たものだけが、繰り返し、繰り返し思い出される。
 
shigaku_news_20151005-03.jpg
原爆ドーム