心理学への招待 Vol.3

 心理学への招待 Vol.3

 

WEBで学ぶ心理学:ダニエル・カーネマン 「経験と記憶の謎」TED

 

 前回の「心理学への招待2」では,心理学者セリグマンの「人間の幸福」についての考え方を紹介しました。

今回は,人間の幸福について,まったく異なる立場の心理学の研究を紹介します。

 今回取り上げるダニエル・カーネマンはアメリカの認知心理学者で,2002年にはノーベル経済学賞(*)を受賞しました。

認知心理学は,人間が物事や自分について,どのように感じたり,考えたりするのかを研究する心理学です。

彼によれば,現在の心理学において盛んに取り上げられている「幸福」は,人間の考えかたの「錯覚」にとらわれているといわれます。

そこでは,複雑さを避けようとする傾向や,経験と記憶の違いの錯覚,などが,私たちが幸福について考えることを歪めているのです。

彼はこれを「認知の罠」と呼びます。

わたしたちは,自分たちの幸福を理解することができないのでしょうか?

わたしたちが,自分の経験を意識するときにどのようなことがおこるのでしょうか?

興味を持った方は,ぜひ彼の話を聴いてみましょう。カーネマンの研究は,認知心理学の授業の中でも取り上げられます。

 

TED  ダニエル・カーネマン 「経験と記憶の謎」 20分 日本語字幕

 

*カーネマンがノーベル賞を受賞した研究は,人間の購買行動を心理学の立場で説明したもので,現在では

「行動経済学」という学問に発展しています。