新入生オリエンテーション:「大関ヶ原展」見学

5月9日に第2回の新入生オリエンテーションを行い、両国の江戸東京博物館で「大関ヶ原展」を見学しました。

 

かなりの混雑が予想される中、まずは腹ごしらえということで、早めの昼食をとりました。入学から1ヶ月が経ち、親しい友人もでき、大学生活にもだいぶ慣れたようです。

 

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昼食中も賑やかでした。

 

 

「大関ヶ原展」に入場するには40分待ちとのことで覚悟を決めて並びましたが、思いのほかスムーズに列は進みました。それでも会場は大変な混みようで、じっくりと展示を見るのはなかなか難しかったのですが、合戦図屏風や合戦絵巻、刀など武具や武将達の書状を間近で目にして楽しむことができました。後日、学生たちに感想を聞いたのでいくつか紹介します。

 

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入場制限の中、並んで待ちます。

 

 

学生たちに人気があったのは、やはり刀や槍、具足といった武具で、お気に入りの武将の刀やゆかりの品々、特に刃こぼれのある石田三成の刀に感動した人も多かったです。

 

その一方で東西両軍とも相手側の武将に裏切りを促す書状を送っていたことを知り、当時の戦は情報戦でもあったのかと気づいた学生もいました。

 

他には「関ヶ原合戦図屏風」に注目した学生もいました。「一目見て『金色で華やか』と感じましたが、よく見ると赤やオレンジの色も綺麗で、当時に絵に様々な色が使われたんだなと思った。後半に進むについて、西軍が佐和山の方に逃げていく描写があり、ちゃんと時系列に沿って絵が描かれている」という感想がある一方で、

 

「色彩と細部までこだわった筆遣いはすごいと感じました。しかし、大学の授業で学んだ視点から、その屏風を見るとそこに描かれているのは真実ではないと思います。実際に、この屏風が描かれたのは江戸時代になってからなので、人物や家紋は本物であっても、屏風が描き出すストーリーには多少脚色が入っているのではないか」という考察をしてくれた人もいました。

 

また何を見るか以上に誰と見るかというのも重要です。「展示品は、高校日本史の教科書や資料集で見るのとは、迫力が全く違い感動しました。これまでは日本史よりも世界史に力を入れて勉強してきましたが、友人に解説してもらったので助かりました」という感想や「私と同じように歴史が好きな人と一緒に行けたことが良かったです。皆で『ああでもない、こうでもない』と言いながら見ることができ、他の人の感じているところや、まだまだ自分が分かっていない点を知ることができました」という感想があり、学生同士で学び合う・意見を交わすという姿勢がさっそく見られ頼もしく思いました。

 

会場内では各自のペースで見学しましたが、何人かの学生からは「まだまだ物足りない」「せっかく来たのだから常設展も見たい」という声が上がり、(入館料は個人負担になってしまいましたが)学生有志で最近リニューアルした常設展を見学しました。こちらは広々としたスペースに江戸・東京の暮らしを再現し、様々な展示品や実際に触れることのできる模型を配しており、「大関ヶ原展」とはまた違った趣を楽しみました。

 

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「大関ヶ原展」の常設展を見に行った面々

 

 

今年は2回のオリエンテーションがともに日本近世・近現代史に関わるものになりましたが、折りに触れて行われる見学はヴァリエーションに富んだものになるように企画を立てています。

 

また大学の授業の一環としてではなく、友達と誘い合わせて個人的に博物館見学に行く学生たちもかなりいます。気づいている人も多いでしょうが、学生研究室の前には様々な展覧会の割引入場券が置いてありますので、有効に活用してください。

 

史学科での学びが気になった受験生の皆さんは是非、オープンキャンパスに来て、在学生や教員に大学の様子を訊ねてください。次回は5月24日(日曜日)我孫子キャンパスで開催されます。