授業紹介:日本史演習(1) 日本古代史ゼミ

これまで史学科の講義を紹介してきましたが、今回からは演習を紹介していきます。

 

演習はゼミ(ゼミナール)とも呼ばれる少人数の授業で、学生たちが積極的に発表・議論することで形作っていく授業です。この演習を通じて、学生は卒業論文につながる研究テーマを見つけ、具体的な研究の方法を身につけていきます。

 

川村の史学科では3年次に2つの演習を受講するように指導しています。学生たちが演習を選ぶ基準は、1、2年次での勉強のなかで関心を持った、あるいは入学当初から温めていたテーマができそうかということに尽きますが、どの演習にしようかと悩む学生もいます。

 

そこで講義要綱を読んだり講義で接するだけでは想像しにくい演習の雰囲気について、3年生が後輩たちのために毎年、紹介文を書いてくれています。演習は川村の史学科の大きな特徴でもあります。学外の皆さん、特に受験生にも知ってもらいたいので、史学科NEWSでもご紹介します。

 

まずは梅村恵子先生による日本古代史のゼミナール、日本史演習(1)です。以下が学生による紹介です。

 

 

この演習では前期には説話集『古事談』、前期の終わりから後期のはじめにかけて藤原道長の日記『御堂関白記』を読みました。現代語訳をし、人物・用語を調べ、レジュメを作成して発表します。調べる際には、『国史大辞典』や『平安時代史事典』を使用するのがおすすめです。現代語訳は自力ですることでだんだんと慣れてくると思うので、難しくても頑張っていただきたいです。

 

そして、『御堂関白記』が終了した後は、自身の興味があることを発表しました。はじめ大まかな内容のレジュメをつくり、学生1人1人がどこに興味を持っているのか梅村先生に報告した後、更に詳しく調べて発表を行います。

 

私の場合、当初平安時代というぼんやりとした興味範囲も、ゼミの回数を重ねていくことで「平安京」というものに特に興味が湧いてきました。ぼんやりとしたスタートでも、様々なことに触れるうちに自然と深く知りたいと思うことのきっかけに出会えると思います。その為の3年ゼミであると先生も仰っていました。

 

発表はだいたい1回の授業で2人行います(ちなみに今年の梅村ゼミ生は6人でした)。終わった後は、学生からの質問、先生からの質問・補足(もしくは訂正)の時間が設けられます。思わぬ質問に慌ててしまったり、出来の悪さに落ち込んだりと色々ありますが、空気がとても穏やかで、それに救われます。梅村先生は優しく、いつも笑っていてくださいますが、指摘はしっかりとして下さるので自分に何が足りないのかよく分かり、次に繋げることが出来ます。

 

又、1年次の日本史研究入門、2年次の日本史概説で教えて頂いた内容を理解しているものとしてゼミは進行していきます。これは梅村ゼミに限らず、どのゼミにも言えることだと思います。ですので、1・2年次に習ったことを忘れずにいてほしいです。理解のスピードも上がりますし、時々予想外の場面で飛んでくる先生の質問にヒヤヒヤしてしまうこともないので利点だらけです。

 

簡単ではありますが、ゼミ内容の説明は以上になります。授業が始まる前や終わった後には先生が色んな話をして下さり、先生とゼミ生の距離が近く、笑いが起きることは毎回のようにあります。楽しいゼミです。